2022年08月09日

禁煙、禁酒、運動より効く科学的な健康法

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内海聡1日3食をやめなさい!抄録。老化と万病のもとは食べ過ぎ 現代人はカロリーオーバーで栄養失調になる人が増加。Tokyo DD Clinic














 禁煙、禁酒、適度な運動……。どれも健康にいいとわかっているが、続けるのは簡単ではない。そこで朗報がある。最新の調査で、健康や長寿の決め手は、もっと別な要因であることがわかってきたのだ。村山洋史・東京大学高齢社会総合研究機構特任講師によれば、それは「社会とのつながり」だ。あなたの健康を左右する「つながり」のおそるべき力とは――。

http://www.iog.u-tokyo.ac.jp/ 村山洋史・東京大学高齢社会総合研究機構特任講師




 村山洋史『「つながり」と健康格差』(ポプラ新書)の一部を再編集。






■長生きできるライフスタイルとは何か? 

 これまで、多くの研究者が疫学研究によって、「長生きするためのライフスタイルは何なのか? 」という疑問に取り組んできました。2010年、それまでの関連する研究結果を統合して、「結局、どのライフスタイルが一番長寿に影響しているのか」をまとめた論文が出版されました。

 図1はその結果です。グラフの棒が長いほど、長寿に強い関連を持っていることを意味します。タバコを吸わない、アルコールを飲みすぎない、運動する、太りすぎないといったライフスタイルが健康や長生きに良いのは誰でも知っていますし、皆さんも納得できると思います。しかし、それら以上に長寿に影響するライフスタイルがあったのです。それが「社会とのつながりを持つこと」でした。

 この結果は、我々研究者にも大きな衝撃を与えました。社会とのつながりを持っていることは、長生きや健康に良い影響を持つことは知られていました。しかし、まさか喫煙、飲酒、運動、体格指数といった、いわゆるライフスタイルの王道よりも影響が強いとまでは思っていなかったからです。

 しかし、ものは捉えようです。禁煙、禁酒、運動、ダイエットが長生きや健康につながるといわれても、それらに取り組むのはなかなか難しいものです。しかし、「普段の生活の中でのつながりが長生きや健康に良い影響を与えています」といわれると、すでに多くの人が持っているものですし、何となく安心できます。


 血縁、地縁、社縁。これらに代表されるように、私たちは例外なく様々な縁、すなわち「つながり」に囲まれて生活しています。





 実際に、「困ったことがあった時、家族に頼って助けてもらった」「隣の家の人が自分の家の前を掃除してくれていた」「仕事で失敗した時に同僚に励ましてもらった」「大学の時の同級生に彼女を紹介してもらった」など、これらの縁に助けられた経験は誰にでも多少なりともあることでしょう。





■時代に応じて「つながり」は変わっていく

 しかし、多くの人はこういった人間関係を保つのが難しくなったと感じているようです。内閣府の調査では、実に6割以上の人たちが「人間関係が難しくなった」と回答しています。

 その理由を見てみると、「地域のつながりの希薄化(54.3%)」「核家族化(41.8%)」「親子関係の希薄化(32.3%)」「職場環境の悪化(11.6%)」「兄弟姉妹の不在(11.3%)」など、縁にまつわるものが多く挙げられています(図2)。まさに血縁、地縁、社縁が変化してきていることが分かります。


 これらに取って代わり、現代でウエイトが置かれているつながりが、共通の趣味や関心、目的によって作られるつながりです。例えば、ママたちが集まる子育てサークルや、マラソン好きが一緒に練習するようなランニングの会がそうです。いわゆる飲み仲間なんていうのもこれに当てはまります。

 た、インターネット上のつながりも忘れることはできません。ツイッター、フェイスブック、ラインに代表されるようなSNSを利用している人は多いと思います。スマホが普及した現代では、つながりづくりになくてはならないものになりつつあります。

 SNSの利用者数は年々増加しており、2017年度末にはおおよそ7200万人と報告されています。実に人口の半分以上が利用している計算です。

 こうやって見てみると、改めて私たちは色々なつながりを持ちながら日常を過ごしていることが分かります。確かに、人付き合いを煩わしく感じてしまう時もあります。しかし、私たちは、時代に応じて新しいつながりを作りながら生きているのです。


■太った人の友達の半分は太っている

 つながりが健康にもたらす影響力を示した別の研究を紹介します。

 ハーバード大学の元教授であるニコラス・クリスタキスは、アメリカのフラミンガム心臓研究という世界的に有名な調査のデータを用い、5000人以上の人が持つつながりを分析しました。その結果、驚くべき「肥満の秘密」が明らかになったのです。

・ある人Aが肥満だった場合、約50%の確率でその友達Bは肥満になる。

・Bの友達であるCは、Aと直接関係がなくても20%の確率で肥満になる。

・さらに、Cの友達であるDは、AとBと直接関係がなくても10%の確率で肥満になる。

 つまりAとC、Dは直接知り合いでなくても、A→B→Cは20%、A→B→C→Dは10%の確率で肥満になるということです。この確率は統計学的に検討しても、ただの偶然に起こっただけとは考えにくいものでした。この結果をどう解釈すればよいでしょうか? 

 そうです。肥満はつながりを介してどんどんと「伝染」していくのです。

 「肥満が伝染するなんて聞いたことがない」といいたい気持ちも分かります。もちろん、肥満はインフルエンザのようにウイルスや病原菌によって罹るわけではありません。

 しかし、フラミンガム心臓研究では、実際に人から人へと伝染していました。どうやって肥満は伝染していったのでしょうか? 

 「この人も食べているし、問題ないんじゃないか」

 理由の1つに、肥満の人が近い関係にいると、その人の考えや行動様式に影響されやすいことが挙げられます。これをクリスタキスは「行動の模倣」と呼びました。


 皆さんは、誰かと食事に行った時、その人がモリモリとおいしそうにご飯を食べている姿を見て、ついつい一緒になって食べすぎたという経験はありませんか? 

 人は誰かがとっている行動をどうしても真似してしまうのです。これは脳科学でも証明されており、ミラーニューロンという脳内の神経細胞が関与しています。この細胞は、自分が何かの行動をした時だけでなく、自分が体験していなくても他者の行動を見ただけで活性化し、脳内で再現することが分かっています。

 つまり、自分がその行動をとっていなくても、脳内ではその行動をした時と同じように細胞が活性化しているのです。そのせいで、肥満の友達が高カロリーな料理を食べているのを見ると、将来的に自分にも同じような行動が表れやすくなります。

 もう1つの理由は、肥満の友達がいることで、肥満に対する認識や態度が寛容に変化することが考えられます。これは「規範の広がり」と呼ばれるものです。

 フラミンガム心臓研究はアメリカでの研究です。ご存じのようにアメリカでは肥満者は非常に多く、米国疾病予防管理センターは、成人の36.5%が肥満に該当すると報告しています。こういった社会では、肥満が自然なものとして受け入れられています。まして、身近に肥満の友達がいれば、肥満というものを許容しやすくなります。

 また、肥満の友達がたくさん食べている状況を見ていると、「この人も食べているし、別に同じように食べても問題ないんじゃないか」、全然運動に関心がない様子を見ていると、「運動なんて別にしなくてもいいんじゃないか」といったように、肥満につながる行動に対してハードルが低くなってしまうのです。


■「伝線」する悪い習慣、良い習慣

 この「伝染」は、喫煙でも飲酒でも観察されています。肥満と同じく、「行動の模倣」と「規範の広がり」が関係しそうなことは想像に難くありません。親子とも喫煙者だったり、親子とも酒飲みといったケースを目にすることがありますが、これは親子という緊密なつながりを介して、行動が模倣され、喫煙や飲酒へのハードルが低くなっていった結果とも考えられます。

 悪い習慣だけが伝染するわけではありません。笑いや幸福感といったポジティブな側面も伝染します。「相手が笑っていると理由なく思わず一緒に笑ってしまった」「幸せそうな表情の人を見ているとこっちまで幸せな気持ちになった」などといった経験はありませんか? 

 これにもミラーニューロンが関係しています。人が楽しく幸せそうな様子を見ていると、さも自分も同じように楽しく幸せな体験をしているような状態になれるのです。

 また、「相手の顔色を読む」という言葉がありますが、顔の表情だけでなく、声のトーンなどによって、私たちは相手の感情を察することができます。また、その背景にある相手の体験に思いを巡らすこともできます。人が楽しそうにしている様子を見ると、状況を察し、それにうまく同調できるのです。

 自分の不健康や不調を他人のせいにしてしまってはいけませんが、ここまでお話ししてきたように、健康・不健康は、自分自身の行動や意志のみで決まるわけではありません。周囲の人々の振る舞いや考え方に知らず知らずのうちに影響されているのです。




東京大学高齢社会総合研究機構・特任講師 村山 洋史
1979年生まれ。2009年東京大学大学院医学系研究科博士課程修了(保健学博士)。東京都健康長寿医療センター研究所、ミシガン大学公衆衛生大学院を経て、2015年より東京大学高齢社会総合研究機構・特任講師。2012年日本公衆衛生学会奨励賞、2015年公益財団法人長寿科学振興財団長寿科学賞を受賞。専門は、公衆衛生学、老年学。












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数々の研究結果より科学的に実証されて、従来の常識とは真逆になっていることも明らかになってきています。自分に合った健康習慣を取り入れて下さい。

posted by ken020506 at 11:00| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | ダイエット法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする